人材派遣で事故が起きたときに保険で補償される範囲を解説

人材派遣で事故が起きたときに保険で補償される範囲を解説

最近は派遣社員として働いている方をよく見かけます。それだけに、派遣社員の方が関係する事故やトラブルも発生しています。ところが、派遣社員の方は事故が起きた会社の社員でないだけに、派遣会社が対応することが大半です。そのようなケースを見込んで保険に入っている派遣会社が多くあります。今回は人材派遣とさまざまな保険について解説します。

人材派遣とは

人材派遣で事故が起きたときに保険で補償される範囲を解説

最近の職場では、派遣会社から派遣された「派遣社員」をよく見かけます。事務職に多く見かけられますが、室内作業やラインの作業現場でも見かけるようになりました。人材派遣は労働者派遣法、正式には「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」により定義された範囲で働きます。

派遣社員は派遣元会社と契約し、派遣先企業に派遣され、派遣先の指揮命令を受けて労働します。総務省統計局の「労働力調査(基本集計)2021年(令和3年)平均結果の要約」の調査では、派遣社員として働いている人数は約140万人です。この数字は全雇用者5629万人の約2.5%を占め、現在の働き方の一形態として定着しているのです。

派遣社員は派遣先の企業で働く

派遣社員の給与や労災保険などの福利厚生は、雇用契約を結んだ派遣元に当たる派遣会社から派遣社員へ適用されたり、支払われたりします。また、派遣社員の雇用契約は、派遣される派遣先が決定してから契約が成立し、派遣期間が終了すると同時に雇用契約も終了するのです。さらに、派遣社員が労働した対価は、派遣会社が派遣先企業に請求し、派遣先から派遣会社に支払われます。

人材派遣で想定される事故やトラブル

人材派遣業は事故やトラブルも、派遣先の業種により異なってきます。そのため、人材派遣に関係する保険は加入する保険の種類により、補償される範囲が異なってくるのです。 派遣社員が引き起こした事故や派遣社員自身のケガ、病気、第三者への賠償事故など広範囲にわたり補償範囲がカバーされた保険もあります。実際に事故が起きた場合は、事故が起きた状況や事故当時の指示系統の問題など、個別の案件で異なってきます。しかし保険に加入しておけば、補償されるケースが多いため安心です。

事故はパワハラから情報漏洩まである

派遣社員に限りませんが、勤務先で金銭の盗難や備品の窃盗事件が起きています。また、派遣先でパワハラや、セクハラを訴える方が増えています。このようなトラブルは、派遣社員が被害者になる場合も、加害者になる場合もありえるのです。 さらに、派遣先企業の重要な機密情報などの不正取得や漏洩などの事件も起きています。機密情報持ち出しのトラブルは、派遣先で派遣社員が起こすケースも多く見られます。賠償金額が高額になるケースが多いことから、そのような事態に対処するためにも保険加入がおすすめです。

事故やトラブルを補償する保険と対象範囲

人材派遣で事故が起きたときに保険で補償される範囲を解説

人材派遣業では労災上乗せ保険と賠償保険の2種類の保険加入が重要になってきます。派遣先で作業中に起きた事故に対して補償するために、自社スタッフのケガの補償(労災上乗せ保険)と、第三者の所有物や他人に対する賠償事故(賠償責任保険)補償の2種類の保険です。

労災上乗せ保険

基本的には、業務中に従業員(派遣社員)が起こした災害(労災)は、政府管掌の労災で補償されます。しかし、近年の事故はそれだけで十分に補償されないケースも多いので、政府の労災保険制度の不足部分を補う「労災上乗せ保険」があるのです。 労災上乗せ保険は、政府の労災保険制度では補償されない慰謝料や、訴訟になったときの訴訟費用など、事業主が負担する費用を補償できます。 また、さまざまな特約を加えることで、従業員が日常生活で発病した場合の対策として、あらかじめ派遣会社が備えておくることも可能です。

賠償責任保険

人材派遣会社が加入する賠償責任保険では、基本的に派遣社員が派遣先で他人の物を壊したり、他人にケガをさせたりしたときの補償が行なわれます。さらに、下記の特約を加えることで、さまざまな事故やトラブルに対して補償されます。

人材派遣の補償範囲の具体例

人材派遣で事故が起きたときに保険で補償される範囲を解説

人材派遣の業務範囲が広がったことで、事故やトラブルの種類も広がりました。そのため、賠償責任保険の補償範囲も広がったのです。派遣先の職場に最適な保険を選べば、さまざまなケースが補償対象となり補償されます。以下で具体例を紹介します。

派遣業務の遂行に起因する事故

派遣業務の仕事内容によって偶然に発生した事故により他人の体にケガさせたり、物品を壊したりした場合、事故を起こした派遣社員および派遣会社が、法律上の損害賠償責任を負担することになります。損害賠償保険はそのような損害の補償が可能になります。

業務の結果に起因する事故

人材派遣社員が遂行した仕事の結果に起因した事故により、他人の体の障害または物品の損壊について、派遣社員および派遣会社が法律上の損害賠償責任を負うことがあります。具体的には、派遣社員が製造した製品を購入し使用した結果、ケガをした場合などです。その賠償金が保険から補償されます。

不当行為による損害の補償

派遣社員が仕事の遂行に起因にして行なった不当な身体の拘束による自由の侵害、または名誉毀損により、派遣社員が法律上の損害賠償責任を負担することになった場合、補償金として契約金額まで支給されます。

不誠実行為補償

派遣社員が派遣先で強盗・窃盗・横領・詐欺・背任行為などを犯したときに、その事故に起因して、派遣会社が法律上の損害賠償責任を負担することによって、派遣会社が被る損害について契約金額まで補償されます。

まとめ

人材派遣で事故が起きたときに保険で補償される範囲を解説

人材派遣は今後も増えていく見込みです。派遣先企業もさまざまで、そこで発生するトラブルもいろいろなケースが起こるようになります。補償金額も高額になることが見込まれるだけに、損害賠償保険に加入することが求められます。人材派遣会社は最適な保険に加入しましょう。

「有限会社アゲイン」は、東京都新宿区に本社があります。保険代理店として多くの皆様のご愛顧いただき、20年以上の実績を残してまいりました。新しく人材派遣会社を設立された社長は、保険についてかわからない方もいらっしゃるはずです。弊社は、さまざまな保険を用意しております。また、弊社は全国どこからでもご相談を受け付けます。保険に関してご不明な点や質問などがあれば、ぜひ弊社へご相談ください。