建築工事業の工事には保険加入が重要になる！その理由を解説

建設工事の種類は29業種あり、一式工事と専門工事とに区分できます。ほとんどの建設工事は、大規模で多くの専門業者の協力が必要であり、近年は専門性が重要になる複雑な建設工事もあります。このような建設工事は、工事全体について、企画・指導・調整などをトータルにマネージメントする役割が求められるのです。 実際には元請けとなる企業が、大規模な建設工事を複数の下請け業者に割り振って施工させ、複雑な建設工事の専門技術を持つ下請け業者に施工させるなどして、工事が進行します。このように複数の業者を有機的に組み合わせ、元請け業者が建設工事全体について総合的・全体的にマネージメントを行うのが一式工事です。具体的には建設工事が29業種あり、そのうち一式工事に該当するのは、建築工事業（建築一式工事）と、土木工事業（土木一式工事）のみです。

現在の建築現場は工事が大掛かりになることも多く、総合的な企画力が必要になるため、注文主から直接仕事を引き受けた業者となる、元請け企業が一式工事を請け負うケースが多くみられます。

建築工事業においても工事中の賠償事故に備えるため、保険の加入が求められます。政府管掌労災の加入は当然ですが、上乗せ保険や第三者への損害賠償保険などにも加入が必要になるのです。一般的に、それらの保険への加入は元請け企業が取りまとめて加入手続きを行います。 工事中は、塗装業者が刷毛を落としたり、塗料をこぼしたりして隣の建物を汚すことがあります。

また作業者が誤ってボルトを落とし、通行人に当たりケガをさせるケースや、作業員の転落事故など、建設現場の事故例は多数あり保険が必要なのです。 建築工事業では複数の下請けが集まって作業するだけに、下請け企業をまとめる元請けに賠償責任が発生します。実際には元請け企業が直接施工するケースは少なく、元請けとして下請けに仕事を任せている以上、第三者に対する賠償責任保険への加入は必須事項になるのです。

元請けが損害保険や上乗せ補償の保険に加入するのですが、工事地域の気候や天候にも注意を払い、火災・豪雨・風災・台風・水災などのリスク対応を確認しておきましょう。また、盗難や横領などのリスクも補償可能となる保険なのか、補償範囲を詳しく確認しておく必要があります。

引き渡し後の賠償事故に備える保険も必要

住居やビルやマンションが完成し、引き渡した建物には生産物賠償責任が発生します。実施した工事に施工ミスがあり、完成後に賠償事故が発生した場合は賠償責任を負わなくてはなりません。そのときの補償が賄える損害賠償保険を選びましょう。また保険に特約事項を加え、完成後に瑕疵が発覚した場合に、その瑕疵の修理や補修の費用が補償されるように契約しておけば、修理コストが削減できます。

以上解説のとおり、建築工事業（建築一式工事）では、下請けのミスが原因で発生した事故やトラブルでも、元請けの責任になるのです。自社のリスクを少しでも軽減するために、また、万が一の重大事故に備えて補償範囲が広く、損害賠償金額も大きな補償となる保険に加入しましょう。

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