人材派遣は賠償責任など保険加入が大切!人材派遣と保険について解説

1986年に労働者派遣法が施行されて人材派遣が可能になり、重要な職場の戦力になっています。人材派遣がなければ、成り立たない職場もあるほどです。人材派遣の仕組みや役割については難解な面もあり、仮に派遣社員に事故が起きた場合などの補償については、対応可能な保険もあるのです。今回は人材派遣に関係する保険について詳しく解説します。

人材派遣とは

総務省統計局の「労働力調査(基本集計)2021年(令和3年)平均結果の要約」の調査結果によると、日本で派遣社員として働いている人数は約140万人です。この数字は役員を除く全雇用者5629万人の約2.5%を占めています。このように人材派遣は働き方の一つとして、しっかりと定着しています。

人材派遣は契約した会社と別の場所で働く

人材派遣は労働者派遣法、正式には「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」といいます。その法律で人材派遣は「自己の雇用する労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他人の指揮命令を受けて、当該他人のために労働に従事させることを業として行うこと」と定義されており、人材派遣の就労形態は特殊です。 人材派遣は労働者が雇用契約を結ぶ会社と、労働者が実際に仕事をする会社が別になります。昭和の時代から継続している雇用形態は正社員やパート従業員、契約社員が企業と直接、基本雇用契約を結んだ会社で働きます。しかし、派遣社員が雇用契約を結ぶのは派遣会社です。しかし労働についての指揮命令は、派遣先企業から受けることになるのです。 また派遣社員の給与や福利厚生は、派遣先の企業ではなく雇用契約を結んだ派遣会社から、派遣社員へ直接支払われます。さらに派遣社員の雇用契約は、派遣先が決定してから契約が成立し、派遣期間終了と同時に雇用契約も終了するのです。派遣社員が労働した代金は、派遣元の会社が派遣先企業に労働時間分を請求します。

派遣を利用できない業務がある

広範囲に人材派遣が使えるようになりましたが、派遣社員が使えない業務もあります。港湾・建設・警備・医療関連業務・弁護士・社会保険労務士などの士業については、労働者派遣法の適用範囲から除外されています。

人材派遣と保険

人材派遣業については派遣先の業種により多少の差異はありますが、さまざまな事故が発生する恐れもあります。派遣社員が引き起こした物損事故や派遣社員自身のケガ、派遣社員が原因とする第三者への賠償事故などです。 その事故に対して、相手から損害賠償を求められることがあります。実際には事故が起きた状況や事故に至った指示系統の問題など、ケースバイケースになることもありますが保険に加入しておけば安心です。 また、派遣先での金銭や備品の盗難、パワハラ、セクハラも近年増えています。それらは派遣社員が被害者の場合も、加害者の場合もあります。さらに派遣社員による、保管されている重要データの不正取得や漏洩などもありえるのです。このように、派遣先で派遣社員の業務上のトラブルが想定されます。そのような事態に対処するためにも保険加入がおすすめです。

保険で対応できた労災事故

保険で対応できる事例として、派遣社員が派遣先で起こした労災事故への対応があります。労災は政府が管掌する「労災保険」があり、強制加入の政府労災とは別に、企業が任意で加入する労災保険があるのです。強制加入で補償をカバーしきれない上乗せ分対応として、労災保険の加入をおすすめします。

第三者賠償責任の対応

第三者賠償責任は派遣社員が作業現場と直接関わり合いのない第三者にケガをさせたり、第三者の物品を壊したりしたことで、損害賠償責任を本人および派遣会社が負うケースです。その賠償に対し保険金が給付される保険があります。実際の対応事故例として以下があります。 ・派遣社員が派遣先で作業中に備品や設備を破損させてしまったケース ・派遣社員が派遣先の金銭を着服し損害を与えたケース ・派遣社員が派遣先でセクハラ事件やパワハラを起こし損害賠償請求されたケース ・派遣社員が派遣先の情報を漏洩させたケース

人材派遣で派遣社員のミスを減らす要点

派遣社員に限りませんが、職場のトラブルは起きないことが望まれます。とくに、派遣社員は派遣先でミスをしないために、日常業務から心掛けておくべきポイントを紹介します。

他人の話をよく聞く態度

他人から物事を伝えられて理解できるのは、良くて8割だそうです。子どもの伝言ゲームでも内容がうまく伝わらないように、話を正確に伝えるのはきわめて難しいです。一般的に仕事でミスが多い方は、他人の話を集中して聞いていない傾向がみられます。他人の話を聞く習慣も身に付けさせましょう。

メモで残す

人間は物を忘れる動物です。いくら集中して話を聞いていても、忘れてしまうことがあるので、メモをとる習慣を付けさせましょう。メモを残せば繰り返し見ることも可能です。どのような様式でもよいので、忘れないようにメモを取る習慣を付けさせましょう。

不明な場合は質問する

わからないことや理解できないことは、すぐに質問するように教育しましょう。派遣社員がわからないことを独断で判断されると危険です。 とくに、派遣社員の立場であれば遠慮しがちな面もありますが、その遠慮がミスや事故につながるケースもあります。派遣先でのケガや重大事故予防のためにも、上記の3点はしっかりと教育することが重要です。

まとめ

今や人材派遣で働いている労働者は職場の重要な戦力です。それだけに、職場で事故を起こしたり、ケガや病気になったりするリスクが増えてきました。

派遣先で事故が起きた時の対応は、自分の会社でないだけに慎重に行うことが求められ、十分な補償を受けるためにも、派遣会社はさまざまな保険に加入することをおすすめします。

「有限会社アゲイン」は、東京都新宿区に本社がある保険代理店です。創業後20年以上、多くの皆様のご愛顧いただき、保険業界で実績を残してまいりました。新しく人材派遣会社を設立された社長は、不明な面も多いことと思います。弊社は人材派遣会社に最適な保険を数多くそろえております。保険のことはぜひ弊社へご相談ください。